(写真:八景島ふれあいラグーンにて、オタリアの若いオスたち)
オタリアは南米の海岸に住むアシカの仲間。アシカ科のうちアシカ亜属の仲間のことを英語でシーライオン、つまり海のライオンと呼ぶのだが、その名前の由来となったのがオタリアだ。
オタリアのメスや子どもは、他のアシカたちに比べて少し丸顔という程度の特徴なのだが、成長したオタリアのオスは、顔が角張りブルドッグのように潰れた形になる。そして、首から胸にかけて異様に太くなり、さらにそこにたてがみが生えるのだ。
真っ黒な体毛に対して、たてがみの色は銀色がかった茶褐色で、分厚く盛り上がった胸板の上にたてがみをふくらませた姿は、まさにライオンを彷彿とさせる。
このたてがみは、オス同士がハレムをつくる場所を奪い合うための闘いの装束だ。体重が400kgにも達するオスのオタリアたちは喧嘩っ早く、水族館内で他のアシカの仲間を死に至らしめることも少なからずある。
オタリアの生息地では、オタリアの膨大な数に対して繁殖場所が狭いので、他のアシカたちに比べて縄張り意識が強いのかもしれない。
そんな気性の荒いオタリアだが、近ごろは水族館のアシカショーに出演していることが多い。かつてショーの主役だった北米のカリフォルニアアシカの輸入が止まった頃に、そのピンチヒッターとして南米から続々と輸入されたのだ。
当初はカリフォルニアアシカのように簡単にはトレーニングできないために、使い物にならないと言われていたが、その後、アシカのようなジャンプ力を要求しなければ、むしろアシカよりも利口であることが分かり、今ではアシカショーの主流になろうとさえしている。
オタリアに会える水族館
オタリアは22館の水族館で飼育されており、そのほとんどの水族館でアシカショーに出演している。
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