(写真:アドベンチャーワールドのコウテイペンギン)
コウテイペンギンはペンギンの中で最大のペンギン。見た感じの身長は1mちょっとの大きさのように思えるが、体長の最大では130cmにもなるらしい。次に大型のペンギンはオウサマペンギンで90cmくらい。さすが王様の上に君臨するから皇帝ペンギンなのである。
しかしこの皇帝の暮らしは孤高の極みだ。他の生物がまったくいない南極の冬に、氷の上で繁殖をする。
「ペンギン大百科」(平凡社)によれば、コウテイペンギンのつがいは海から50~120kmも離れた氷の上の繁殖地に歩いて到着後、メスは産卵が終わるまでの40日間、オスは産卵を終えたメスが南氷洋にエサを食べに行って帰ってくるまでの115日間、絶食してブリザードの中で抱卵を続ける。なんとオスのコウテイペンギンは1年の内の3分の1近くを、冬眠するわけでもなく絶食して暮らすのだ。
潜水は鳥類の中で最も得意とし、水深500mにまで潜ることができる。
コウテイペンギンに会える水族館
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現在、コウテイペンギンに会えるのは、アドベンチャーワールドと名古屋港水族館の2施設だけだ。
最初はアドベンチャーワールドだけだったが、感染症などの危険分散のために、6羽が南極の気候を完備していた名古屋港水族館に引き取られた。
尚、長崎ペンギン水族館の前身である長崎水族館では、日本で初めてコウテイペンギンを飼育していたが高齢のためすでに死亡している。
アドベンチャーワールドのコウテイペンギン
アドベンチャーワールドが、私たちにコウテイペンギンを見せてくれるようになった。ここではすでに繁殖に成功している。
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名古屋港水族館のコウテイペンギン
「南極への旅」をテーマにしている水族館だけに、日本で最初に極地ペンギン用の水槽を建設し、南極の日照時間に合わせて照明を操作している。日本の冬が南極の夏なので、冬に訪れる方が水槽は明るくてよく観察することができる。
尚、名古屋港水族館の表示は、英名のエンペラーペンギンとなっている。
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名古屋港水族館のガイドへ
南極からどうやって来たのか?
ところで、南極条約などで動物の持ち出しのできない南極から、どうやってコウテイペンギンがやってくることができたのか?誰もがすごく興味をもつのだけれど、いろいろ大変な事情やら企業秘密があるらしく、詳しくは明かされていない。
かつて、早くからコウテイペンギンを飼育していたアメリカのシーワールドで聞き出した話では、『コウテイペンギンは浮氷の上で繁殖をするため、ときにはその浮氷が大陸から離れて漂っていることがあり、そうなると南極条約からも切り離されるので、その浮氷の上の産み出されたばかりの卵をいただいて孵卵器で育てる』のだそうだ。
コウテイペンギンは卵を1個しか産まないが、割れたり無くなったりすると(普通は無くなるワケはないが)もう1個産むので資源数に変化はないという計算である。
なお、筆者の英会話能力は最低なので、どこまで正しく解しているかは責任持てない。