荒俣宏メッセージ／21世紀「知のワンダーランド」計画 水族館委員／水族館限定海洋堂動物フィギュア

水族館の歴史1・2・3（ワンツースリー）と、もっとおもしろくする立体の誕生！

それでは、みなさんに質問します。
キミとアナタは水族館で何をしてみたいと思いますか？今から150年前に最初の水族館ができたとき、キミたちのご先祖たちは、「海の中」が見たくて、水族館にやってきた。海の中は竜宮城や人魚がいる神秘の世界だ、と信じられていたからだ。
ところが、ほんとうに海に生きているタコやサンゴやウニのほうが、もっと不思議だったことがわかり、海の中は「この世に実在するワンダーランド」となった。これが、歴史の１（ワン）だ。

そして今から50年前、キミたちのパパやママは、「海の中」で遊びたくて、水族館にやってきた。世界から集めたさらに不思議な生きものを驚き、芸ができるイルカやオットセイと友達になりにきた。
みんなの希望をかなえるために、水族館は、水着やアクアラングなしに潜れる「巨大な陸上の海」となった。デートの場所も水族館に、なんて流行もあったのだ。これが、歴史の２（ツー）だ。

そして今から10年前、21世紀になる直前に、キミたちの兄さんや姉さんは、「海の中」で癒されたくて、水族館にやってきた。ラッコやクラゲの優しさ、愛らしさ、やわらかさに、心なごみ、自然に触れあう喜びを味わった。
だから水族館は、「深くてあたたかい心の休み場所」になった。歴史は３（スリー）まで進んだのだ。

で、今からはキミたちの時代。水族館も21世紀型の進化し、知りたい、遊びたい、癒されたい、という歴史の１・２・３に加えて、まったく新しい「発明のヒント」を提供したい。
海の生きものはすばらしい能力をもっている。どんな環境にも適応している。酸素や食べ物がなくても生きられる生物、自分で鉄を生産して身を護る生物、何にでも変身できる生物…ほんとうに、びっくりするような能力をもつ生きものにあふれていることが、最近どんどん分かってきている。
海はアイデアとヒントの宝庫なのだ。宇宙ステーションの無重力のなかではさまざまな実験ができ、発明や発見も期待されているが、海の中はそれ以上にすごい。きっと、その実物を見てもらえる日も近いはずだが、まだ水族館で飼えないもの、手にはいらないものが多い。

そこで、わたしたちがつくりあげたのが、わくわくするほど精巧で小さい立体生物のシリーズだ。
飛行機や建物をつくる前に模型で実験するように、遊んでいるうちに21世紀を幸福に生きるヒントがもらえる、究極の「楽しむ自然」。これが、水族館のワンダーをもっと大きくする。
どの立体生物も、見れば見るほどおもしろいぞ！